－CMO－ 下村千恵子さん
下村さんは「愛」と「感謝」の人
下村さんとお話ししていて、常々すごいなぁ！と思っていたのが、「愛」とか「感謝」って言葉を、とてもさらりと、自然に使ってらっしゃるところ！！ 「好き」や「ありがとう」という言葉より、一段深い感じしますよね。
私も「ありがとう！」はよく使っても、「感謝」はなかなか言葉に出して使うのが難しいです。
でも、先日取材をしていて、納得！と言うか、腑に落ちた気がしました。
これまでに下村さんが経験されてきた数々の試練や出来事が、ご自身の感覚をより深くし、そして、そんな試練があったからこそ出会った方々との繋がりに、「愛」や「感謝」という言葉が自然と出てくるんだなぁ…、と。
手作りへのこだわり
下村さんがCMOを設立されて、最初に取り扱いを決めたのが、フィリピンのセブ島で作られている、スマートフォン用の竹スピーカー、“loudbasstard”。
その決め手は１つ。下村さんの『手作りへのこだわり』でした。
実は、輸入総代理店が取り扱う商品としては、竹スピーカーは単価が低くて、あまり向かない商品なんだそうです。他にもっと良い商品は無いかと、その後も色々探されるのですが、最初に魅かれた竹スピーカーがどうしても気になって、取り扱いを決意されます。
１つ１つ、島の職人さん達によって手作りされるそのスピーカーは、自然の素材から生まれるやわらかい音色や、そのデザイン性の高さから、サイト立ち上げ早々に大手企業の新ブランド用に…と注文が来るなど、順調な滑り出しとなります。
その後も、Jimdoをきっかけに繋がった「こもれびとマルシェ」をはじめ、色んなイベントやマルシェに参加。また様々なメディアに取り上げられるなど、徐々に実績を伸ばして行かれます。 が…
竹スピーカーをもっと多くの人に！と、2015年7月に開催された「DESIGN TOKYO」へ出展。
この事が、セブ島のメーカーとの関係を大きく変えてしまいます。
DESIGN TOKYOへ出展した事で、竹スピーカーが大手輸入代理店の目にもとまり、結果的に大手に取られる形となってしまいました…
セブ島の豊富な資源「竹」を使い、機械に頼らない職人のハンドメイド、ハンドカット、手染で仕上がる竹スピーカーは、電源も不要の究極の“エコ”スピーカー。
そこに魅かれた下村さんと、セブのメーカーは、スタートは同じ想いで走り出したはずだったのに…
メーカー側は「まだまだもっと安定して、多くの利益を生みたい」という思いから、機械化して大量生産へ…と移行。下村さんの気持ちとはかけ離れてしまい、袂を分かつ結果となってしまいました。
竹スピーカーとは寂しい結果となりましたが、下村さんの軸、『手作りへのこだわり』はブレる事が無く、その頃には既に次のブランドの構想がスタートしていたんです。
ブランド名は 「Hands-on」。 日本語で 「絆手恩」 と書きます。
日本の伝統素材の新しいカタチ
絆手恩（ハンズオン）のメインとなる素材は畳の縁（へり）。 日本独自の、伝統的な建築素材の1つですよね。
実は下村さんのご実家は畳屋さんで、お父様は80歳を超えた今もまだ現役！！下村さんの弟さんと一緒に高槻で畳業を営んでらっしゃいます。
一貫してブレる事のない軸、『手作りへのこだわり』は、お父様の手仕事を、傍でずっと見てこられたからかもしれない。そう感じずにはいられませんでした。
下村さんは常々、畳縁のデザインの美しさに、「何かもっと他に生かせる方法は無いか？」と思われていたんだそうで、その思いは「こもれびとマルシェ」での“作り手”達との出会いで動き出します。
一番最初は、パンダリングローズ・ラボの額賀さんとのコラボ。
細長いパンダンの葉っぱが、ちょうど畳縁と同じサイズ感だったことから、素敵な作品が出来るのでは！と直感！！
見事的中して、次々に素晴らしい作品が誕生します。
そしてコラボは留まることを知らず、フェアリーサドルの山川さんとはテディベアが♪
最近では島のかばん屋さん髭じぃこと、川中さんとのコラボが誕生！革×畳縁が新鮮！！縁を格子状に織って使うアイディアもステキです。
畳縁の「縁・えん」から広がる『絆手恩』。
その広がりは日本だけには留まりません！日本を訪れて下さった海外の方達へ、更には世界へ。
日本の伝統素材×作家さんの手仕事で、潤いをお届けしたいと。また新たな抱負も話して下さいました。
もう、聞いてる私がワクワクです！！
更なる新作（大作です！）も、進行中とのこと。 これからも絆手恩から目が離せません！！
写真協力：池田 かよ さん
・CMOサイト・・・ http://www.cmo-ai.com/
・CMO Facebookページ・・・ https://www.facebook.com/CMO.cocoromusaoffice/
★おまけ★
本文では、“loudbasstard”との出会いから書きましたが、下村さんはそれまでに、それはそれはもうたくさんの試練を経験されていて…
私の拙い文章力ではうまく書く事が出来ませんでした…。
ざっくりと、ホントざっくり書きますと、
「起業したての頃、ネット通販用の商材の買い付けに訪れたタイでは、思うような商品には出会えず、更には普段ならとてもしないような失敗があったり、帰国後にはご自宅のマンションの階段から落ちて救急車で緊急搬送、入院という大きな事故にも…。」
そんな聞くだけでハラハラドキドキするような体験談の中には、本当に不思議なお話しも含まれていたり。。。
不思議体験ゼロ（？）な私には、そちらのお話しも興味深くてつい取材から脱線したり…。
聞きたい事が尽きず、時間がいくらあっても足りない取材となりました。